神戸地方裁判所 昭和53年(わ)166号 判決 1978年10月25日
本店の所在地
神戸市生田区京町七四番地 電通神戸ビル内
法人の名称
ミキフルーツ株式会社
代表者の住居
神戸市東灘区岡本六丁目八番八号
代表者の氏名
加藤泰章
本籍
神戸市東灘区本山中町三丁目三九番地
住居
神戸市東灘区岡本六丁目八番八号
職業
会社役員
加藤泰章
昭和九年一月一八日生
右両名に対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は検察官幸王一二出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。
主文
被告人ミキフルーツ株式会社を罰金八〇〇万円に処する。
被告人加藤泰章を懲役一〇月に処する。
被告人加藤泰章に対しこの裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告会社ミキフルーツ株式会社は、神戸市生田区京町七四番地電通神戸ビル内に本店を置き、果汁の製造加工並びに販売等の業を営むもの、被告人加藤泰章は、同会社の代表取締役としてその業務全般を統轄しているものであるが、被告人加藤泰章は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て
第一、昭和四九年八月一日から同五〇年七月三一日までの事業年度における実際の所得金額は一億三、五六四万四、一九九円、これに対する法人税額は五、二九五万六、九〇〇円であるのにかかわらず、公表経理上、原材料のプルーンエキストラクトの架空仕入れを計上して所得の一部を除外し、よって得た資金を架空名義の預金として留保するなどの不正の方法により所得を秘匿したうえ、同五〇年九月三〇日同市生田区中山手通三丁目二一番二号所在の神戸税務署において、同署長に対し、所得金額が一億一〇万三、〇七二円、これに対する法人税額が三、八七四万一、八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により同事業年度の法人税一、四二一万五、一〇〇円を免れ
第二、同五〇年八月一日から同五一年七月三一日までの事業年度における実際の所得金額は一億七、三四七万六、九八五円、これに対する法人税額は六、七三四万二、二〇〇円であるのにかかわらず、前同様に所得の一部を除外し、よって得た資金を無記名債券とするなどの不正手段を講じたうえ、同五一年九月三〇日同税務署において、同署長に対し、所得金額が八、四九五万八、七六七円、これに対する法人税額が三、一九三万八、一〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により同事業年度の法人税額三、五四〇万四、一〇〇円を免れ
たものである。
(証拠の標目)
判示全事実
一、被告人の当公判廷における供述
一、被告人会社代表者の当公判廷における供述
一、被告人加藤泰章の大蔵事務官及び検察官に対する各供述調書
一、寺井慶三、境野亘、塩尻幸二郎、橋本浩、弦牧錦司、岡田秀雄、加藤登美子の大蔵事務官に対する質問てん末書
一、津坂登、境野亘、塩尻幸二郎、岡田秀雄、加藤登美子の検察官に対する供述調書
一、押収してあるメモ二枚(昭和五三年押第二二八号の一、二)
一、神戸地方法務局登記官池田孝利作成の登記簿謄本
判示第一事実
一、大蔵事務官作成の法人税確定申告書謄本(検甲1号)
一、大蔵事務官作成の脱税額計算書(検甲3号)
判示第二事実
一、大蔵事務官作成の法人税確定申告書謄本(検甲2号)
一、大蔵事務官作成の脱税額計算書(検甲4号)
(法令の適用)
判示第一、第二事実
各法人税法一五九条(被告人会社につきさらに各同法一六四条)
併合罪
被告人会社につき刑法四五条前段、四八条二項、被告人加藤泰章につき同法四五条前段、四七条本文、一〇条(第二の罪の刑に法定の加重)
執行猶予
被告人加藤泰章につき刑法二五条一項
(裁判官 高橋通延)